投稿日:2020年6月10日 | 最終更新日:2021年9月22日
『中国による国家安全法により、香港がどうなるのか?』とのご質問を多く頂いております。 今回は私なりの回答を書きます。
国家安全法自体は、国家の安全を守り国外政府の干渉などを禁じるなど、国家の安全面に関する内容であり、米国や英国などの西側諸国においてごく一般的に存在します。
①何故、国家安全法?
昨年からのデモ、その前の雨傘革命の時のデモに米国や台湾からの資金援助等があったことは事実です。
これを支援とするのか?それとも内政干渉とするのか?はイデオロギーの違いです。
デモ隊側からすれば支援であり当然の抗議活動ですが、中国政府にとってみれば内政干渉であり米国の国旗を持ちながら抗議を行うデモ隊の行動は国家の安全を乱すものとなります。
従って、中国政府側としては、一国二制度と言えども、国家の安全に対して然るべき措置をとりたいという背景があります。
②香港の統治について
国家安全法の詳細はまだ分かっておりません。一国二制度の崩壊だという方もおりますが、現段階では分からないというのが答えです。
ただ、後述しますが、中国政府にとっても香港は重要な拠点であるため、一般市民が過度に弾圧されるようなことはないと思っています。
現状の中国内の一般市民が中国政府の弾圧に怯えながら生活しているのか?を考えて頂くのも一つです。
③香港の金融市場について
香港の金融市場はニューヨーク、ロンドン、シンガポールと同様に国内市場だけでなく、外国人投資家の取引量で他を圧倒しております。
その香港金融の歴史的背景には、英国統治のきっかけとなったアヘン戦争の頃から活躍しているユダヤ系財閥の存在があります。
現在も香港で最大の企業はジャーディン・マセソン社であり、HSBCなどが関連企業です。
ユダヤ系と華人のネットワークを古くから繋いでいるのが、香港の金融市場の最大の特徴です。
従って香港の金融市場は、規模では上海市場や北京市場に追い抜かれるかも知れませんが、質で劣ることは一朝一夕ではないと思います。
すなわち、中国政府にとって重要な拠点であり、手放したくない利権です。
その利権をまもりながら、ソフトランディングさせたいというのが、中国政府の本音だと思います。
④香港の経済について
香港の経済自由度指数は返還後も変わらずずっと一位をキープしてまいりました。
昨年のデモの影響で二位に転落しておりますが、それでもまだまだ他国を圧倒する自由度です。
短期的にはデモやコロナの影響で香港内の経済も他国と同様に冷え込むことは間違いないと思います。
しかし、香港はUSD3000万ドル以上の資産を持つ人が世界一多い都市で、1万人以上おります。
今回のコロナショックで、安くなった資産を買い増ししているようで、彼らが更に富むことは間違いなく、それが中長期の香港の繁栄を支えると感じます。
⑤日本の報道について
日本の報道は米国の視点に偏っているのが事実です。
そして、もちろんですが中国内は中国の視点に偏っています。
例えば、チベットやウイグルの問題なども、米中双方に相当の偏りがあります。
また日米に置き換えれば、広島や長崎への原爆は日本にとっては大きな被害ですが、米国にとっては正義の象徴となります。
(多数派は) そのような色眼鏡の報道を観てしまうと、問題の本質が掴めなくなり、惑わされてしまいます。
この辺りの歴史的背景は弊社の勉強会にて解説させていただきます。
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