経済教育

金融市場とモラル

経済発展を遂げた国(日本、英国、米国、ドイツ等)には、発展の前段階で経済道徳の普及がございました。

例)アダムスミスは国富論(The Wealth of Nation)の前に道徳感情論(The Theory of Moral Sentiments)を発表。

ご存知の通り、この20年の日本経済は停滞どころか、後退しております。
その一因は日本の金融市場におけるモラルの欠如にあると感じています。

そもそも金融とは『お金の融通』です。
当面はお金を使用する必要の無い方の資金が、事業等でお金を必要としている方へ融通され経済活動が行わることで、皆が豊かになります。
給与所得者や年金受給者の受取タイミングから支出タイミングまでの僅かな間の資金でさえも、所定の計算のもと銀行を通じて貸し出しされています。
なにより金融市場では、無数のお金の融通が行われております。
我々人類は本当に素晴らしい仕組みを作ったものだと感動いたします。

一方で、金融市場では無数のお金の奪い合いが行われているのも事実です。
我々は、こどもの頃に『相手のモノを奪ってはいけません』と教えられます。
しかし法律さえ犯さなければ、相手からお金を奪うことが公認されているのです。

金融業界に携わり、大きな問題だと感じたことは、自分が収益をあげたとき(短期間の場合)は誰かを不幸にしていることを認識せずに、マーケット参加されている方が非常に多いことです。
かくいう私も若いころは、恥ずかしながら全く気づいていませんでした。。。

本来、道徳心が高く、周囲との調和を重んじる日本人。
その日本人が、経済教育の遅れからか、自分の行っていることの本質に気が付いていないために、金融市場を通じて自分さえ儲かれば良いと他人からお金を奪おうとします。
そして、自分が収益をあげようと思って行動した結果、反対に誰か(主にプロの外国人投資家)に資金を奪われ損失を被ってしまう。
この20年で、それを何度繰り返してきてしまったのでしょうか。

またミセスワタナベ等の個人投資家の資金が金融市場の不確実性を高めていることも周知の通りです。
※金融市場の不確実性が高いと、リスクヘッジのためのコストが高くなり、経済発展の阻害となります。

なるべく早く日本人が気付かないといけない。
日本経済を研究するなかで、益々、そのように思うようになりました。

個の集合で形成される金融市場、一人一人の金融との付き合い方が変わることで、世の中が変わっていきます。
然るべき経済教育の普及が望まれます。