投稿日:2021年12月8日 | 最終更新日:2024年2月23日
香港の貯蓄型生命保険の一部の商品では保険会社などの信用力を担保として金融機関から借入を受ける事ができます。借入(レバレッジ)を利用する事で少ない自己資金でより大きな保険金を購入する事ができます。このような保険契約をプレミアムファイナンス(保険料融資)といいます。
プレミアムファイナンスとは?
保険会社の信用力と契約者の財務状況などを担保として金融機関が保険料の一部を融資します。少額な自己資金で大きな保険金を購入できるため、富裕層の間でプレミアムファイナンスを活用する人が増えています。
【2021年8月 CHINA DAILYの調査】
香港人の50%がプレミアムファイナンスに関心を示しています。
融資をする金融機関はHSBCや中国建設銀行、その他に香港居住者以外にも融資をする金融機関があります。
プレミアムファイナンス】
【HSBC HKプレミアムファイナンスの具体的な活用
Grace Point International Ltd(HP)
本社:ニューヨーク
支社:香港、カナダ
プレミアムファイナンスに特化したファイナンス会社。海外在住の日本人にも融資をしています。
Grace Point 社の融資の特徴
融資可能額:初年度解約払戻金の100%
借入期間:最長20年(融資を受けた後に契約者の財務状況の見直しはありません。)
年齢や住居地の制限:無し
対象保険会社と商品 :サンライフ香港など20社以上 Venus II, Wealth Builderなど。
最低融資金額 :100,000USD以上
借入金利 :3Month LIBOR+(2%前後)
*LIBORとはロンドンにインターバンク取引で資金の出し手から提示される金利でロンドン銀行間取引金利とも言われます。
Grace Point社 借入の注意点
日本人でプレミアムファイナンスが利用できるのは、海外居住者のみです。借入期間中は名義変更ができません。
契約希望者は香港に渡航をして手続きをする必要があります。
プレミアムファイナンスにかかる費用
借入金利は保険会社の信用格付けなどによって変わります。
<例>
保険会社:サンライフ香港
保険商品:Venus II
一時払保険料:200,000USD
このプランを契約するためにGrace Pointから176,000USDを借入し、自己資金を24,000USDとした場合は以下の費用がかかります。
▶︎金利
3カ月LIBOR:0.3%(2021年9月時点。3カ月ごとに見直し)
金利スプレッド:2.0%
合計の年金利:2.3%
年間金利合計:4,048USD(借入金額176,000USD×2.3%)
▶︎その他の費用
・Annual Fee:704USD/年
借入金額の0.4%で最初の5年間のみかかります。
・6month Interest Collateral:2,464USD (6カ月分の金利を担保として預けますが、9年目に返却されます。)
LIBOR+0.5%+Interest Spread (=176,000USD x (0.3%+0.5%+2.0%) x 1/2)
プレミアムファイナンスを利用したケース
保険商品:Venus II
一時払保険料:200,000USD
20年後の予定解約払戻金:521,553USD
<保険料の内訳>
Grace Point社からの借入金:176,000USD
契約者の自己資金の保険料:24,000USD
VenusⅡの商品詳細はこちら。
借入期間中は以下の費用をGrace Point社に支払います。
【初年度支払金額】
保険料(自己資金分):24,000USD
Annual Fee:704USD/年
年間借入利息:4,048USD(金利によって異なります。)
半年分の金利先払い:2,464USD(9年目に戻ります。)
合計:31,216USD
【2年目~5年目支払金額】
Annual Fee :704USD/年
年間借入利息:4,048USD(金利によって異なります。)
合計:4,752USD
【6年目~8年目支払金額】
年間借入利息:4,048USD(金利によって異なります。)
合計:4,048USD
【9年目支払金額】
年間借入利息:4,048USD(金利によって異なります。)
金利先払い戻入:-2,464USD
合計:1,584USD
【10年目~20年目】
年間借入利息:4,048USD(金利によって異なります。)
合計:4,048USD
借入の手数料と20年間の金利総額
Annual Fee(5年間分):3,520USD
20年間借入利息総額:80,960USD(金利によって異なります。)
合計:84,480USD
20年経過後の返済金額と解約払戻金
20年後の予定解約払戻金:521,553USD
返済金額(借入元本):176,000USD
返済後の予定解約払戻金:345,553USD(20年後予定解約払戻金521,553USD−返済金額176,000USD)
ご契約時の自己資金24,000USDで一時払保険料200,000USDの保険に加入する事ができます。
借入期間中にかかる手数料と金利で84,480USD、借入期間終了時の20年後に借入金176,000USDを返済した後は予定解約払戻金は345,553USDが残ります。
返済後はそのまま運用を継続をすることもできます。
契約から30年経過した予定解約払戻金は778,547USDです。保険金は分割受け取りもできます。また配偶者や子供、孫などに代々名義を変更して運用を継続する事もできます。
詳細はLOAN PROJECTION SUMMARYをご参照ください。
自己資金とプレミアムファイナンスの違い
プレミアムファイナンスの注意点
①資産証明書の提出
USD1,000,000以上の資産を証明する書類を提出する必要があります。その他、追加書類の提出が必要な場合もあります。
②金利上昇リスク
借入金利が3ヶ月ごとに変動するため、金利が上昇した際は返済金額が増加します。生命保険の運用利回りよりも借入金利が上昇したした場合は、プレミアムファイナンスを行わない方が良かったこととなります。
③保険商品の運用リスク
保険金は確定して増加する部分と変動して増加する部分に分かれています。変動部分の運用利回りが想定よりも低下し、借入金利を下回りますとプレミアムファイナンスを行わない方が良かった事となります。
まとめ
今回は借入(レバレッジ)を活用した香港貯蓄型生命保険の活用について解説しました。
仮想通貨(暗号資産)や株式等でこの数年で資産が増大し海外へ移住する人が増えているように感じます。それに伴い、仮想通貨や株式などの価格変動リスクを伴う資産の一部を貯蓄型生命保険などの安定資産に切り替えていく相談も増えてきています。
将来の安定資産として香港の貯蓄型生命保険を活用してみてはいかがでしょうか?
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