投稿日:2022年4月26日 | 最終更新日:2024年6月17日
タイ移住後の資産運用はどのようにしたら良いのでしょうか?と個別相談をいただく機会が増えてきています。
今回はタイ移住後の資産運用について分かりやすく解説をします。
タイ移住前に準備しておくこと
タイ移住前に準備しておくことは主に次の4つです。
①タイ移住後も取引のしやすい銀行口座開設
タイに移住してからは日本の銀行口座開設はできません。
タイに移住してからも利用しやすい銀行口座はSMBC信託銀行のプレスティアです。
SMBC信託銀行プレスティア
プレスティアは非居住者となってもタイにいながら各種手続きができます。
主な特徴は以下のとおりです。
①事前に海外送金先登録を行うことで、タイにいながらインターネットバンキングや電話、郵送にて海外送金ができます。
②プレスティアマルチマネー口座では複数の外貨口座を保有できます。タイバーツ口座もあります。
③外貨積立またはネットを利用した指値取引の場合は為替手数料無料で日本円から外貨を購入することができます。
ただし、タイバーツは指値取引ができません。
④口座のグレードによっては現地でのATM引き出し手数料が無料です。
海外ATMオーナー手数料の償還はこちら
⑤多通貨一体型デビットカード(GLOBAL PASS)で現地通貨の決済ができます。
タイで利用の場合はあらかじめタイバーツ口座へ資金を入れておくことをお勧めします。
⑥GLOBAL PASSはカード利用手数料が無料、口座のグレードに応じてキャッシュバックがあります。
キャッシュバックの詳細はこちら
⑦デビットカードの有効期限が切れた場合でも居住国まで郵送します。
デビットカードの海外発送の詳細はこちら
※タイ移住後に資産運用をする方は日本居住中にSMBC信託銀行の口座開設をしておくことを強くお勧めします。
②タイ移住後も使いやすいクレジットカード作成
銀行口座と同様、タイ移住後は日本のクレジットカードの作成は困難となります。
タイ移住者におすすめのカードについて解説します。
1.VISAかMasterCardは必須
タイではVISAかMasterCardの利用ができます。JCBも使えるお店が増えてきました。
一方でAMEXやダイナースを使えるお店は限られています。
2.ナンバーレスカード
タイではクレジットカードの詐欺事件が多発しています。ナンバーレスカードにしておくことで被害を防ぐことができる場合もあるようです。
クレジットカードの事件等については大使館などからも注意喚起が出ています。
3.海外旅行保険
クレジットカードに自動付帯している海外旅行保険の保険期間は日本出国から90日です。自動付帯のカードでタイに入国して、90日の期限が切れる際に利用付帯のクレジットカードでチケット代や交通費などを決済して海外旅行保険を付加する方法もあります。
タイ移住前にクレジットカード海外旅行保険の内容を確認しておくことをお勧めします。
海外旅行保険は持病や既往症は保障対象外です。また保険金のご利用額によっては翌年更新できない場合もあります。
タイに長期移住をされる方はタイの医療保険へ加入することをおすすめします。
③銀行にタイ移住の届出
あらかじめタイ移住の届出を提出しておくことで外国送金ができるようになります。
日本非居住者向けのサービスを行なっている銀行は以下のブログに分かりやすくまとめられています。
④日本の証券口座の閉鎖や移管をする
日本の証券会社は海外移住の届出をすると特定口座から一般口座となります。
一般口座となった後は株の保有や売却はできても購入はできなくなります。
また、口座閉鎖しか選択できない証券会社もあります。
タイ移住後も自由な売買を希望する場合は外国の証券口座に株式移管をします。
ただし、移管できる証券会社は限られています。条件によっては移管できない場合もありますので、この場合は一旦売却をして外国の証券会社へ資金を移します。
タイ移住者が享受できるメリット
タイ移住者は主に次のメリットを享受できます。
①タイの税制
タイでは海外の財産から得た課税所得をタイに持ち込みしない場合は課税されません。
※LTRビザの富裕層ビザなどはタイへ持ち込みしても課税はありません。
またタイ居住中に日本の証券口座で発生した売却益に対しても日本での課税はありません。
日本非居住者の判断はとても重要なポイントとなるため、専門の税理士や税務署などに確認することをおすすめします。
②外国生命保険
保険業法186条では日本居住者が外国生命保険を契約することに制限をかけています。この法律に該当しないタイ居住者は外国生命保険に加入することができます。186条第1項では契約の締結のみ制限をかけていますので締結後に日本へ帰国しても契約はそのまま継続できます。
タイ移住後の資産運用方法
タイ移住後の資産運用方法5つを紹介します。
①タイの金融機関
タイの金融機関でも投資信託や株式投資ができます。
タイで所得税が発生する現地採用者の場合はSSFやRMFなど日本のiDeCoのような所得控除を利用して投資を行うこともできます。
タイの金融機関で投資をした投資信託や株式についてはキャピタルゲイン課税がありません。配当の税金は10%です。
タイの金融機関で投資を行う場合のデメリットは次のとおりです。
・タイの銀行口座にしか資金を入れることができません。
・投資対象銘柄が非常に少ない。
・外国投資信託の手数料が日本と比較して非常に高い。
タイの銀行や証券会社は本帰国後に解約を勧めていますので、タイ以外の国に移住や赴任する場合はその時点で売却する必要があります。タイの金融機関はタイに住んでいる人に対してサービスを行なっていますので、この点は日本の金融機関と同じ考え方です。
②外国証券口座
タイ移住後は外国証券口座を利用して投資ができます。
アメリカ証券Interactive Brokers証券(IB証券)ですと、米国株だけでなく日本株への投資もできます。
タイ移住後にアメリカ株のみ投資をする場合はその他にもいくつかの選択肢があります。
③香港貯蓄型保険
タイ移住後は香港の貯蓄型保険で運用ができます。
株や投資信託との違いは主に次の3つです。
・一定年数を超えると元本を確保します。
・市場の価格変動を抑えることができ、安定して複利で資産を増やします。
・相続対策、資産継承に適しています。
市場の変動に一喜一憂することなく、長期にわたり安定した収益を確保することができます。
一部の保険会社は法人登記国を香港からイギリス領バミューダなどへ移転し、チャイナリスクを回避します。
④不動産投資
タイで不動産投資を行う場合、新築はプレビルドといって建設前から購入ができます。角部屋などの良い部屋は既に売られていていることが多く、デベロッパーは建設が近づくにつれて価格を上げていきます。
不動産投資は買い方に尽きると思います。
その他に、ドバイやアメリカの不動産を購入される方も増えてきていると感じます。
⑤事業投資
タイで事業を始めることもできますし、既にお客さまがついている店舗の譲渡を受けてタイで事業を拡大している方もいます。日本で事業を成功させた方が自らオーナーや経営者となってタイで事業をする場合は、タイの方がやりやすい面も多いかもしれません。
まずはタイに移住してから自分の目で見極めてから行うのをおすすめします。
タイ移住者のご相談事例
相談事例①【仮想通貨の含み益を基にタイに移住】
相談者様:42歳
【相談内容】
仮想通貨の含み益が膨らみ、ドバイで不動産を購入。
タイ移住後に仮想通貨を一部売却して、安定資産へ分散していきたい。
【タイ移住後の投資方法】
タイ移住後も仮想通貨の投資を継続しながら、外国証券会社にてETFと社債へ投資。その他にご自身の年金と子どもへの資産承継を目的に香港貯蓄型保険を契約。
相談事例②【事業売却後に家族でタイに移住】
相談者様:47歳
【相談内容】
20年続けてきた日本での事業を売却して家族一緒にタイに移住。タイ移住後は新たな事業をするかもしれないが、ひとまずゆっくり家族で暮らしたい。相場を気にせず生活をしたい。
【タイ移住後の投資方法】
タイでコンドミニアムを購入。格付けの高い社債2,000,000USD分購入と香港貯蓄型保険1,000,000USDを契約。
<債券>
社債を10本に分けて購入。償還まではおおよそ5年〜10年。平均利回りおおよそ5.5%
投資額:約2,000,000USD
年平均利回り:約5.5%
年間平均収益:110,000USD
<香港貯蓄型保険>
保険料払込総額:1,000,000USD
10年後予定解約払戻金:1,362,992USD
20年後予定解約払戻金:2,469,525USD
10年目から100歳まで毎年78,000USD引き出しし続けた場合、
100歳時点の解約払戻金は1,137,707USD残ります。
将来は配偶者様やお子さまに名義変更をしてプランを継承する予定。
まとめ
今回はタイ移住後の資産運用方法について書きました。仮想通貨の含み益や事業譲渡、その他どこにいても働くことができるようになってきたことからタイへの移住を検討される方が増えてきていると思います。タイ移住後の資産運用についてお気軽に弊社の個別相談をご利用ください。
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